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(2) Uターン者
つぎにUターン者に対して企業が求める要件はどうであろうか。同図表に示したように企業は「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」(45.6%)を最も求めている。これに「営業やマーケティングのエキスパート」(26.4%)、「現場の管理者として部下の管理を任せられる人材」(24.3%)、「技術・研究分野のプロジェクトリーダーが担える人材」(17.4%)、「工場の技術スタッフとして専門分野をカバーできる人材」(15.5%)の順と続き、企業はUターン者に対しても中途採用者と同じ要件を求めていることがわかる。
企業がUターン者に対して「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」を強く求める傾向は所在地(市)別でも同様にみられるが、つぎに求める要件は、都市部(県庁所在地、県内第2・第3の大都市)と周辺地域(周辺都市、県内の中小都市、農村地域)では異なっている。まず都市部の企業は「営業やマーケティングのエキスパート」を求めているのに対して、周辺地域の企業は「現場の管理者として部下の管理を任せられる人材」を求めている。
業種別にみると、製造業と非製造業では異なっている。製造業では「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」の他に「工場の技術スタッフとして専門分野をカバーできる人材」「技術・研究分野のプロジェクトリーダーが担える人材」を求めている。これに対して、非製造業では「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」の他に「営業やマーケティングのエキスパート」「現場の管理者として部下の管理を任せられる人材」を求めており、とりわけ土木・建築では「現場の管理者として部下の管理を任せられる人材」が4割強、卸・商社小売業等では「営業やマーケティングのエキスパート」が5割弱に達している。
規模別にみると、中途採用者と同様に規模が小さい企業ほど「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」の他に「現場の管理者として部下の管理を任せられる人材」「社長の右腕となる経営幹部として活躍できそうな人材」を求める傾向にある。なお、「営業やマーケティングのエキスパート」は規模にかかわらず求められている。最後に、図示しないが、売上高伸び率別では伸び率が高い企業ほど「特定の専門分野で一定程度の能力発揮が期待できる人材」「営業やマーケティングのエキスパート」を求める割合が多くなっている点を付記する。
応募者に求める要件について、中途採用者とUターン者を比べてみても、ほとんどの企業は、企業はUターン者に限定せず、応募する中途採用者全員に即戦力として同じ要件を求めていることが推測できる(図表3-30を参照)。

 

5. 応募者に対する年齢制限

 

(1) 中途採用者
企業は応募する中途採用者に対して年齢制限を行っているか聞いてみた。図表3-31に示したように、約2割の企業は「個別的に対応に対応している」(22.0%)か、あるいは「35才未満にしている」(20.1%)ように一定の年齢制限を行っている。
これを所在地(市)別でみると、県庁所在地と農村地域の企業では「35才未満」と一定に年齢

 

 

 

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